Ollamaがコーディングツールでモデルを接続・選択する手順を減らし、一部のモデルで複数のリクエストを同時に処理できるようになった。コーディング支援ツールを使う開発者と、モデルを実行してリクエストを受ける開発者に、それぞれ接続の利便性と同時処理の選択肢を広げる更新だ。

1. コーディングツールの接続と既存設定の移行をともに支援する

今回のバージョンのollama launchはKimi Code CLIに対応し、このコーディングツールをOllamaに接続できる。

Kimi Code CLIはkimi-cliの後継製品だ。起動時に既存設定を移行するか選択できるため、以前のツールを使っていた開発者は設定移行を含む移行経路を利用できる。

ollama launchはPiのモデル一覧も自動で埋める。利用者は一覧からOllamaのモデルを選び、Pi内で使用できる。Claude Desktopのモデル選択画面も、Ollamaが実際に保有するモデル名を表示するようになった。

起動方法にも変化がある。引数なしでOllamaを実行すると、ウェルカムランチャーが開く。

2. 一部のGGUFモデルが複数のリクエストを同時に受け付ける

今回の同時リクエスト対応は、GGUF形式の再帰型モデルと画像認識モデルに適用される。GGUFはモデルの構造と重みを格納するファイル形式だ。再帰型モデルとは、以前の計算状態を引き継いで処理するモデルを指す。

これらのモデルは従来、一度に1件のリクエストを処理していたが、2件以上のリクエストを同時に処理できるようになった。開発者が注目すべき変化は、1つのモデルに複数のリクエストが届く状況に対応できる点だ。

長いコンテキストを扱うための対応も追加された。Qwen3とQwen3.5モデルには、長い入力を処理するための拡張方式が適用される。

この方式はYaRNスケーリングと呼ばれ、長い入力を処理するためにコンテキスト長を拡張する手法だ。コーディングツールの接続とは別に、モデルを実行する側の対応範囲を広げる項目となる。

3. コード作業向けの新モデルは短いコマンドで実行する

ツール連携とともに、コード作業に使うモデルの選択肢も追加された。Xiaomi MiMoのmimo-v2.6は、コードとエージェントのワークフロー向けに作られた9B、つまりパラメーター数90億のモデルで、今回Ollamaの対応対象に加わった。

リリースで示された実行例は次のとおりだ。モデルを直接実行したい開発者は、このコマンドを使用できる。

ollama run mimo-v2.6

ollama launchがコーディングツールを接続するコマンドであるのに対し、上の例はモデル自体を直接実行するコマンドだ。

4. 設定移行・一覧入力・モデル名確認の手間を減らす

設定移行の対象は既存のkimi-cli設定だ。Kimi Code CLIへの切り替え時に移行が提案されるため、既存設定を新しいツールに再入力する手間を省ける。

Piの一覧の自動入力は、モデル一覧を手動で埋める作業を代行する。Claude Desktopの実際のモデル名表示は、選択画面の名前をOllamaが保有するモデル名と照合する手間を減らす。設定の移行、一覧の入力、モデル名の確認をそれぞれ省力化する変更だ。

リリース本文にはスループットや応答時間の測定値は示されていない。今回の変更の価値は、速度の数値よりも新たに対応したワークフローとリクエスト処理方式に見いだせる。

Ollama 0.40.15の要点は、モデル自体の性能数値よりも、コーディングツール連携と特定のGGUF系モデルの同時処理の範囲を広げたことにある。