Googleは最大15秒の動画を生成し、対話で修正できる動画生成モデルを公開し、一般提供を開始した。開発者や制作者は、短い広告や製品紹介動画のバリエーションを作る際、最初から繰り返し生成する作業を減らせる。
1. 一度に生成できる動画が15秒に延長
Gemini Omni 1.2 Flashは、モデル内で直接生成するネイティブ動画の長さを、前世代の最大10秒から最大15秒に延ばした。ユーザーは3秒から15秒の間で1秒単位の指定ができ、一度の生成でより長いシーンやソーシャル広告を構成できる。
同社の発表によると、720p動画の価格は1秒当たり0.07ドルで、Gemini Omni 1.1より30%低い。Googleは低解像度で下書きを素早く作り、細部を修正してから、選んだ結果だけを高解像度に拡大する流れを提案している。
2. 参照素材の特徴をシーンの最後まで反映
生成時にはキャラクター、製品、スタイルの画像に、最大3秒の動作映像と音声の手掛かりを追加できる。Googleは、カメラの角度が変わっても顔や服、パッケージの文字、ブランドカラーなどを維持できるよう、参照素材の反映を改善したと説明した。
例えば、モデルの写真1枚と3種類の衣装の前後の製品写真を組み合わせ、服を着せた姿を合成する15秒のバーチャル試着動画を作れる。Googleの紹介例では、360度の回転やシーンの接続を経ても、モデルの同一性と服の裁断、生地の垂れ方、背面の細部を維持する。製品写真やキャラクターシートを動画に変換する制作工程を狙った機能だ。
最初と最後のフレームの間をつないだり、既存クリップを延長したりする作業にも対応する。Googleは、動きやカメラの切り替えの中で人物、物体、背景の一貫性が高まり、外見の揺れや変形が減ったと述べた。同じ展示ポスターと5層を順に積み重ねるアニメーションの指示を使った比較では、従来モデルより文字や質感を参照画像に近く保つ様子を示した。
3. 作り直すより対話で修正
主な変化は、生成したクリップを複数ターンの対話で編集できる点だ。背景や製品の変更、照明、天候、アスペクト比の調整といった指示を続けられる。Googleは、この編集が15秒のクリップ全体に適用され、広告の対象や掲載先に合わせたバリエーションを作る際、毎回最初から説明したり再生成したりする必要を減らすと説明した。
カメラ演出では、飛行体から見た視点での移動、急激なズームアウト、被写体を周回する動きを指定できる。Googleは、こうした指示で意図しないジャンプカット、つまり場面を飛ばすような編集が減り、画面内の被写体の大きさがより安定すると述べた。
音声生成では、自然なせりふとリップシンク、つまり音声に合わせて唇の動きを同期する機能や、複数の話者の声の区別を改善したと紹介した。
Googleの背景編集の例では、1本のクリップの背景をテントから森、馬小屋、市場、城へと順に変えながら、2人の演技や鎧の反射、画面構成を維持する。別の動作変換の例では、最初の指示で作ったタコを次の指示でダンサーに変え、衣装にタコの波打つ動きをまねさせている。
4. コスト削減と残る制作上の課題
秒単価の引き下げに加え、後続の編集で必要な部分だけを修正すれば、クリップ全体を再生成する回数を減らせる。この方法では、一度で完成版を得るよりも、下書きを選び、追加の修正を指示する作業に比重が移る。Googleは、360pや720pで下書きを作り、選んだ結果を1080pや4Kに拡大できると説明している。
Googleは、速いスポーツの動きや急激な脚本変更、複雑な物理現象を改善中の領域に挙げた。
生成結果には、出所を識別するために動画に埋め込む、目に見えないSynthIDの透かしが含まれる。
5. 開発者から一般ユーザーまで提供経路を拡大
開発者はGemini APIを通じて利用できる。Googleは、Google AI Studioで試作や検証用の初期モデルを作り、スターターアプリや開発ドキュメント、料金情報を確認するよう案内している。
企業はGoogle Cloudコンソールで試した後、APIを使って利用を拡大できる。一定時間に処理できる作業量であるスループットを事前に確保する機能も提供する。Googleは、このモデル系列の一般提供は今回が初めてだと述べた。
Google Vidsでは、GoogleアカウントやGoogle Workspaceのサブスクリプションを利用し、追加料金なしで15秒のクリップを生成できる。
Geminiアプリの15秒動画機能は、Google AI Ultraの加入者に順次展開される。
Flowではシーンの指示や対話型編集を利用でき、Google Adsでは動画キャンペーンの制作に活用できる。
今回の変化の核心は、クリップ自体の長さよりも、1本の動画を基に製品や背景を変え、さまざまな用途に再利用する制作の流れにある。
