開発チームのリリースノートによると、AIチャットツールOpen WebUIに、会話とファイル・ターミナル・プレビューを一緒に開くタブ式作業スペースが追加された。開発者やデータ作業者は会話の隣でファイルを作り、モデルのブラウザー操作を見守って直接引き継ぎ、リポジトリの変更まで確認できる。

1. 会話の隣の作業スペースでファイルとターミナルを管理

チャット上部のタブボタンを押すと、ファイル、複数のターミナルセッション、生成物、プレビュー、音声通話、コメントをタブで開く作業スペースが現れる。プラスメニューからタブを追加してドラッグで並べ替え、選択したターミナルにファイルを作成して保存できる。

大きな画面では作業スペースをチャット領域全体に広げられる。会話も別タブとして残り、コードやブラウザー、デスクトップを行き来でき、横並び表示と全幅表示のうち選んだレイアウトは記憶される。

ファイルやシステムプロンプトなど従来の操作項目は、入力欄の隣のモデル制御メニューに移動した。

2. デスクトップとブラウザーで作業を引き継ぐ

リリースノートによると、接続先のOpen Terminalがデスクトップ機能に対応していれば、デスクトップタブで画面を見て直接操作できる。マウスとキーボード以外に、クリップボードと音声も接続環境が対応する範囲で使える。デスクトップツールを呼び出せるモデルの作業を同じ画面で見守り、直接引き継ぐ流れだ。

ブラウザー機能に対応するターミナルでは、ウェブサイトやローカル開発サーバーをチャットの隣に開き、複数のタブやモバイル画面表示を利用する。互換性のあるOpen Terminal接続でChromeを使える場合、人とモデルがブラウザーセッションを共有し、サイトの移動やフォーム操作、ウェブアプリのテストを行える。

3. MCPアプリはチャットに、リポジトリ作業はサイドパネルに

MCPアプリは、AIと外部ツールをつなぐ接続規格を利用し、外部ツールの結果をチャット内で操作する対話型の画面だ。開発チームは、こうしたアプリを提供するサーバーのツールを実行すると、チャットにアプリが現れると説明した。アプリは、サーバーが宣言したサイトにのみアクセスできる隔離された画面で動作する。

別画面を行き来せず会話内でアプリを扱えるが、アプリが要求するツール呼び出しは毎回ユーザーの確認を経る。作業画面をまとめる利便性とともに、承認に必要なユーザーの介入も残る。承認待ちのチャットはサイドバーに表示される。

リリースノートによると、選択したターミナルのフォルダーがGitリポジトリなら、タブのサイドパネルにGitパネルが現れる。変更を比較し、コミットに含める内容を選ぶか破棄してからコミットできる。ブランチ管理、リモートリポジトリとの変更の送受信、履歴確認、GitHubのプルリクエスト操作にも対応する。開いているファイルの差分も確認でき、レビューからコミットまで同じパネルで進められる。

対応するターミナルでは、Gitパネルや開いているポート、実行中のプロセスと出力が、変更と同時に更新される。数秒ごとに更新していた従来方式と異なり、変更を確認している間もリポジトリの状態や実行出力をすぐに確認できる。

4. ツール呼び出しとサブエージェントの既定制限を変更

開発チームのリリースノートは、モデルがツールを直接呼び出すネイティブ関数呼び出しと、サブエージェントの既定制限の変更を次のように説明している。

表:0.13.0で変更された実行制限の既定値

条件:Open WebUI 0.13.0のリリースノートに記載された既定の設定値であり、性能測定値ではない

単位:反復回数(回)、同時実行数(個)、出力長(文字)

ツール呼び出しとサブエージェントの既定制限の変更
項目従来の既定値現在の既定値適用範囲
ツール呼び出しの反復256回1024回ネイティブ関数呼び出しの単一応答
サブエージェントの同時実行20個無制限同時に実行するサブエージェント数
サブエージェントのバックグラウンド実行20個無制限バックグラウンドで実行するサブエージェント数
サブエージェントのツール反復30回無制限サブエージェントごとのツール反復
サブエージェントの出力長30000文字無制限サブエージェントの出力

チャート:単一応答でのツール呼び出し反復上限 条件:ネイティブ関数呼び出しの従来と現在の既定値の比較であり、性能測定ではない 単位:回

従来  █     256
現在  ████  1024

単一応答でツール呼び出しをより多く反復できるが、1024回で停止する上限は残る。設定を256にすれば従来の上限を維持する。一方、作業を分担する補助エージェントであるサブエージェントは、並列・バックグラウンド実行数だけでなく、エージェントごとの反復と出力長の既定上限もなくなる。1つの応答での反復許容量の拡大と、複数作業の実行・出力上限の撤廃は適用範囲が異なる。

そのため、運用者が上限を定める際も、1つの応答の反復回数と、サブエージェントの実行数・反復・出力長を区別する必要がある。管理者は設定から各サブエージェントの制限を再指定でき、該当値を空欄にすると無制限で実行する。

5. アップグレード前にデプロイ方式を確認

変更をまとめたリリースノートは、セキュリティ修正が含まれるため、できるだけ早くデプロイを更新するよう推奨している。開発チームは今回の変更履歴に修正内容を列挙せず、脆弱性の識別番号が割り当てられた後にセキュリティ勧告を公開すると述べた。

データベース構造が変わるため、本番環境ではデータベースと関連データを先にバックアップすることが推奨される。複数のリクエストを処理する作業単位であるワーカーやサーバーを使うか、リクエストを複数箇所に分散処理する負荷分散を行うデプロイでは、すべての実行インスタンスを同時に更新する必要があり、1つずつ順次更新すると構造の不一致でアプリケーションエラーが発生する。

0.13.0の核心は、チャットを作業画面へ広げ、人がモデルの作業を確認して引き継ぎ、変更結果までレビューする流れをまとめる点にある。