GitHubがCopilot使用量APIに、開発者個人のキーやローカルモデルで処理したリクエストと、組織指定モデルで処理したリクエストを個別に識別する指標を追加した。エンタープライズと組織の管理者は、既存のCopilot提供モデルの使用量と区別し、レポートで利用経路や費用の帰属、費用負担者を分ける方法を確認できる。
1. 2つのBYOK経路を個別に集計
GitHubは2026年11月3日の変更案内で、新指標をエンタープライズと組織の両方のレポートで提供すると発表した。ユーザー別レポートと集計レポート、1日分と28日分のレポートで確認できる。
ローカルBYOKは、開発者が自身のプロバイダーのキーやローカルモデルを接続する方式だ。開発者がクライアントで設定すると、Copilot CLIやGitHub Copilotアプリのリクエストが、そのプロバイダーやローカルモデルに直接送られる。
組織のカスタムモデルは、管理者がGitHubの設定で指定する。リクエストはGitHubを経由して組織のプロバイダーに転送され、GitHubはこれをサーバー側で観測する。そのため、IDEを含め、クライアントの種類にかかわらず、この経路の使用量を記録する。
2. ユーザーの活動とリクエスト・トークン数を表示
ユーザー別レポートのused_local_byokは、そのユーザーが当日にCLIやアプリからローカルBYOKリクエストを1回でも送ったかを示す。詳細集計のtotals_by_local_byokは、セッション・リクエスト・プロンプト・トークン数をBYOKの種類とCLI・アプリ別に分け、ユーザー別レポートと全体の集計レポートに収録する。
アクティブユーザー数は同じ人を重複して数えず、日、暦週、暦月単位で提供する。この数値は集計レポートで確認できる。
組織のカスタムモデルは、モデル別集計項目のis_custom_enterprise_modelが真かどうかで識別する。同じモデルをCopilot提供モデルとカスタムモデルの両方で使った場合は項目が分かれ、カスタムモデルの項目には実際のリクエスト数とトークン数が入る。
3. 既存の合計は維持され、費用の解釈が変わる
今回の変更は、既存の集計に新たな使用量を加えるのではなく、既存の合計に含まれていた使用量を経路別に分けて表示するものだ。ローカルBYOKの使用量は既存のCLIおよびCopilotアプリの合計の一部であり、組織のカスタムモデルの使用量もクライアント別の合計にすでに含まれている。これにより、新指標で使用量の発生元と費用負担者を分けて確認できる。
管理者はCopilotが提供した使用量を個別に確認でき、ユーザー当たりのCopilot費用を解釈しやすくなる。一方、独自のプロバイダーに送ったリクエストの費用は、そのプロバイダーの請求で確認する必要があり、無料のローカルモデルの使用量も個別に確認できる。
BYOKまたはカスタムモデルの利用に応じてユーザーをグループ化し、従来から追跡していたCopilotの利用指標と比較することもできる。誰がどの経路でリクエストを送っているかを確認し、組織のBYOKポリシーと照合する際にも活用できる。
4. APIレポートの取得方法とアクセス条件
レポートAPIは、一定時間後に期限が切れるダウンロードリンクを返す。エンタープライズと組織の1日分のレポート、または直近28日分のレポートをリクエストできる。
ドキュメントによると、エンタープライズの1日分のレポートは2025年10月10日のデータから提供され、照会時点から最大1年前までのデータにアクセスできる。直近28日分のレポートは、処理が完了した最新の日付を末日とする28日間全体を対象とする。
エンタープライズのレポートは、エンタープライズのオーナー、請求管理者、または該当指標の読み取り権限を付与されたユーザーに提供される。組織のレポートは、組織のオーナーと、その組織の指標を読み取る権限を持つユーザーが利用できる。エンタープライズ全体でCopilot使用量指標のポリシーも有効にする必要がある。
直近28日分のユーザーレポートのリクエスト例は次のとおり。
curl -L \
-H "Accept: application/vnd.github+json" \
-H "Authorization: Bearer <YOUR-TOKEN>" \
-H "X-GitHub-Api-Version: 2026-03-10" \
https://api.github.com/enterprises/ENTERPRISE/copilot/metrics/reports/users-28-day/latest5. 記録の送信状態とリリース時点が解釈の基準
ローカルBYOKはクライアントが送信する使用記録に依存するため、記録の送信が無効な場合や、一部のプロバイダーがトークン数を送信しない場合、使用量やトークン数が実際より少なく集計されることがある。組織のカスタムモデルを示す情報は、今回の変更のリリース前の日付のレポートに遡って追加されることはない。
新指標の要点は、既存の使用量の合計を変えずに処理経路を明らかにし、費用と利用ポリシーをより正確に確認できるようにすることにある。
