モデル実行用ソフトウェアであるLiteRT-LMの新バージョンにより、画像・音声機能を開発する開発者のモデル実行の選択肢が増えた。Artisan GPUの実行経路で、画像と音声を扱うGemma 4モデルに対応する。視覚処理方式を拡張し、音声処理コンポーネントとGPUテキスト処理コンポーネントの併用への対応も追加した。
1. Gemma 4の視覚・音声入力をGPU実行経路へ
GoogleのLiteRT-LMプロジェクトは、2026年11月5日にv0.19.1を公開した。
リリースノートの最初の変更点は、Artisan GPUバックエンドでマルチモーダルGemma 4モデルに対応したことだ。ここでのマルチモーダルとは、視覚と音声という異なる種類の入力を扱うことを指す。
バックエンドはモデルの演算を処理する実行基盤だ。今回、このモデルへの対応が追加されたのはArtisan GPUバックエンドである。
2. 視覚処理で双方向アテンションを有効化
視覚処理の変更点は、GPU Artisanモデルで双方向アテンションを有効にしたことだ。双方向アテンションは、入力を一方向にのみ参照する代わりに、前後の情報を併せて参照する方式である。最初の項目が対応モデルを扱うのに対し、この項目はモデル内部で視覚情報を処理する方式を扱う。
3. 音声入力とテキスト処理のコンポーネントの併用に対応
オーディオ関連の変更点は、LiteRTオーディオエンコーダーとArtisan GPUテキストデコーダーの併用に対応したことだ。音声入力を処理するコンポーネントとテキスト出力を担うコンポーネントを組み合わせて使えるという内容である。モデル名だけでなく、コンポーネントの組み合わせも対応項目として明記した。
4. 配布ファイルを確認して導入構成を決める
リリースページには、ソースコードのアーカイブを含めて7個の配布アセットが掲載された。フレームワークのアーカイブはCLiteRTLM.xcframework.zipとCLiteRTLM_mac.xcframework.zipの2個で、実行中に読み込んで使う動的ライブラリはlibGemmaModelConstraintProvider.dylibだ。macOSのARM系64ビットプロセッサー向けのarm64配布物は、アーカイブと実行ファイルに分かれる。残りの2個はzipとtar.gz形式のソースコードのアーカイブだ。
リリースノートには、具体的な対応モデルの識別子やハードウェア一覧、実行手順はない。性能測定結果やリソース使用量も示されていないため、速度・精度の改善幅や追加のリソースコストをこの資料から数値化することは難しい。
今回の変更は、モデル対応、視覚処理方式、オーディオコンポーネントの組み合わせという三つの層を分けて扱っている。
