テンセントは、画像理解とコンピューター操作の機能を初めて加えたモデルHy4を公開した。開発者や業務利用者は画像や画面を扱う作業に加え、複数のアプリをまたぐ長いタスクを任せられる。現在はテンセントクラウドやOpenRouterなどで利用できる。
1. 画像から読み取った情報を画面操作につなげる
Hy4は先行プレビュー版よりも、モデルを学習させて調整する事前学習と事後学習の規模を拡大し、視覚機能とコンピューター操作能力を初めて追加した。テンセントは、画像の細部や複雑なチャートを読み取り、文字で命令を入力するコマンドラインとグラフィカルな画面を操作できると説明した。
画面操作の学習には、Blenderや、コンピューターで設計図を作成するCADなどの専門ソフトウェアが含まれた。複数のアプリをまたぐ流れも学習させ、作業を計画して実行するよう設計した。
テンセントの発表によると、コンピューター操作評価OSWorld 2.1の全タスク・部分点(Full, partial score)条件で、Hy4は78.9点、Kimi K3.1 Proは79.6点を記録した。各モデルは利用可能な最高の推論設定で評価された。
2. ゲームエンジンと複数ユーザー環境を学習した
ゲーム開発では、テンセントのインタラクティブエンターテインメントグループの開発者と学習資料や評価を作成した。ゲームのルールや画面を動かす基盤である主要ゲームエンジンに合わせて調整し、複数ユーザーが参加するゲーム開発も扱った。同社の発表によると、ゲーム開発評価はプレビュー版より19.1%、ゲームロジック評価は9.8%改善した。
3. 研究タスクを複数の段階にわたって実行する
長いタスクを任せる能力は、1つの質問に答えるのではなく、計画と実行を継続することに重点を置く。テンセントは、数学・物理科学・生命科学など7分野の実行可能な研究タスク123件で構成する内部評価TenureTrailを示した。同社の発表によると、モデル内部の数値を公開する重み公開型に分類したモデルの中で、Hy4が1位だった。
表:研究タスク実行の評価点
条件:TenureTrail内部評価、7分野の実行可能な研究タスク123件、モデルごとの最高の推論設定、回答の計算方法の設定、Claude Code 2.1.220使用、テンセントの発表による
単位:点
| モデル | 点数 |
|---|---|
| Hy4 | 53.6 |
| Kimi K3.1 Pro | 51.3 |
| DeepSeek-V4.1-Flash-1017 | 50.1 |
同じ実行ツールで評価した3モデルの点数では、Hy4が上回った。テンセントが掲げる長期実行能力の根拠は、こうした研究タスク評価と複数のアプリをつなぐ作業の学習にある。
4. 金融・事務業務では検索と文書の完成度を高めた
金融評価は、専門家213人が参加した実際の金融タスク579件を対象とした。同社の発表によると、Hy4はこの評価で重み公開型に分類したモデルの中で1位だった。同じタスクを対象とした公開点数は次のとおりだ。
表:実際の金融タスクの評価点
条件:金融専門家213人が参加した実際の金融タスク579件、テンセントの発表による
単位:点
| モデル | 点数 |
|---|---|
| Hy4 | 3.04 |
| DeepSeek-V4.1-Flash-1017 | 2.97 |
| Kimi K3.1 Pro | 2.68 |
| GLM-5.3 | 2.68 |
金融評価でHy4の点数は、最も近い比較モデルをわずかに上回った。
同社は、最新資料を探して取得する最新情報の検索、複数ソースの統合、事実の整合性確認に合わせて検索を改善したと述べた。同社の発表によると、内部評価で事実と異なる内容を生成する割合はプレビュー版の15.76%から5.45%へ、推測の誤りは23.1%から5.6%へ低下した。
文書作業については、Manusが内部評価でHy4の生成・編集作業の完了率は約97%だったと述べた。
投資調査会社RabyteTechは、内部評価の101件のタスクで、Hy4がプレビュー版より12.03%ポイント高い点数を記録したと説明した。
5. APIと業務製品で先行して利用する
開発者はテンセントクラウドやOpenRouterのAPIでHy4を利用できる。業務利用者は、WorkBuddyやYuanbaoなどの導入製品からアクセスできる。
WorkBuddyは企業向けメッセンジャーWeComと連携し、チャット、メール、文書、予定、会議記録を基に複数プロジェクトの最新状況と作業を整理できる。長く続くタスクの用途は研究だけでなく、日常のプロジェクト管理にも及ぶ。
同社の発表によると、API価格はプレビュー版と同じだ。同じ単価で画像理解や画面操作まで活用範囲を広げられる利点はあるが、利用者はAPI利用料を負担するか、対応製品を通じて業務を連携させることになる。
モデルの重みは今後公開する予定で、自社サーバーや設備を運用する自社インフラへの展開は次の段階となる。テンセントは公開時に、安全評価や技術情報を含み、モデルの機能と安全情報をまとめたシステムカードも提供する予定だ。同社は、長期のコーディングや高度な視覚的質疑応答などでは、最上位の非公開モデルとの差が残ると述べた。
Hy4の変化は、対話型モデルを超えて視覚情報と複数のツールを組み合わせる業務実行モデルへ拡張した点にあり、現時点ではテンセント製品とAPIを通じてその成果を利用する段階だ。
