ゲーム用3D素材を作る開発者が、短い文章の依頼でブラウザー表示用のシーンとエディターに取り込むファイルを同時に作るツールを試せるようになった。独立開発者CCOREのプレビューモデルは、生成したシーンを確認し、ボタンでファイルを取得する作業フローを示している。
1. シーンの確認からアセットのエクスポートまで
CCOREのQwen3.5-4B-GLB-3D-Coderは、依頼に応じてThree.jsベースの3Dシーンを作るコーディングモデルだ。造形物のファイルを直接出力するのではなく、ブラウザーでシーンを描画するコードを生成する。
出力は、シーンとエクスポートボタンを含む単一のHTMLファイルだ。ユーザーはブラウザーで開いて確認し、3Dシーンを格納するファイル形式のGLBでダウンロードする。画面上の結果をエディターに移せるファイルにする処理まで、生成コードに含める仕組みだ。
制作者は、成果物をGodotエディターに取り込んだ例も公開した。
2. 更新されたチェックポイントと作例
モデルカードによると、実行用ファイルは2026年11月2日04:50(協定世界時)に新しいチェックポイントへ更新された。チェックポイントとは学習途中に保存したモデルを指す。容量を抑えた量子化ファイルQ4_K_MとQ8_0を両方置き換え、制作者の試験では視覚的な品質が以前より大幅に向上したという。
ファイル名は変わっていない。制作者は、この時刻より前にファイルを取得したユーザーに、既存のコピーを削除して再ダウンロードするよう案内した。生成設定とシステムメッセージは従来と同じで、既存ユーザーにとってはファイルの置き換えが更新の要点となる。
公開作例には、ジャングルの攻城台と雪に覆われた攻城台、青いゴブリン、赤いオーク、山岳司令所が含まれる。同じ山岳司令所の依頼から作った2つの結果も並べて掲載された。制作者は、作例の依頼文を学習資料と公開予定のデータセットから除外したと述べた。
3. 開発者がすぐに試す方法
モデルページでは、llama.cppなどで実行できるモデルファイル形式のGGUFが案内されている。以下は原文に掲載されたターミナルでの実行例だ。
# Run inference directly in the terminal:
llama cli -hf ccore/Qwen3.5-4B-GLB-3D-Coder:Q4_K_M起動後はモデルカードのシステムメッセージを入力し、短い英語でアセットを依頼する。システムメッセージは、少数の面で形状を表すローポリのゲームアセットを作り、単一ファイルにシーン表示とエクスポートボタンを含めるよう指示する。アニメーションが必要なら依頼に明記し、システムメッセージは書き出すファイルにもその動きを含めるよう指示する。
参照画像をモデル入力につなぐ補助モジュールのビジョンプロジェクターも、オプションで提供する。画像と文章を同時に処理するGGUFに対応した実行環境で利用できる。このファイルは644 MiBで、テキストのみを入力する場合は不要だ。
制作者は、自身の試験では生成物の大半が初回で動作し、特に英語で依頼した場合にそうだったと説明した。
4. モデルの範囲と今後の計画
現行モデルはQwenの公式配布ではなく、Qwen3.5-4Bを基にした独立したプレビューモデルだ。制作者は、キャラクター、武器、自然環境、建築物、乗り物など、ゲームアセットの25分野を対象に学習したと紹介している。
コミュニティの事例として、キシダナオキが生成アセットを使って作った、実際にプレイできる3Dロールプレイングゲームのデモ版が掲載された。
制作者は、単純な依頼が中心だった学習資料を2倍に増やし、より多様な分野や細かいカスタマイズの依頼に対応する方針を示した。追加の例の生成は終わっており、学習後に全データセットと、モデルが学習した数値情報である全Safetensors重みを公開する予定だ。
次期モデルでは、高品質な例10万件と、1度に処理する入力の長さを示すコンテキスト長8K~128Kトークン、現行モデルの学習より約15倍大きい学習実行を計画している。制作者はまず、1度の依頼で安定してアセットを作ることを目指す。その後、自動で生成・試験・修正するエージェント実行環境、つまり作業を自動実行するプログラムベースの環境向けの版を構想している。
5. 手軽な作業フローと残る負担
ブラウザーでシーンを見て、そのままファイルを取得する方式は、試作アセットをエディターへ移す手順をまとめてくれる。その代わり、開発者はモデルファイルをダウンロードして実行環境を用意する。モデルページに記載された容量はQ4_K_Mが2.71 GB、Q8_0が4.48 GBで、ストレージ選びの参考になる。
制作者は、一部の生成物には再試行や小さなコード修正が必要だったと述べた。初回の結果をすぐ制作に投入するよりも、ブラウザーでの確認とエディターへの取り込みを併せて試す出発点として活用できる。
このモデルの核心的な価値は、シーンを作るだけでなく、エディターに移して試せるファイルまでを一連の流れで提供する点にある。
