Qwen Codeは、エージェントでプロジェクト作業を行う開発ツールだ。今回の変更により、開発者は目標の遂行と予約タスクに同じ実行ルールを適用し、サーバーを再起動せずにリモート接続を調整できる。v0.26.7の共通実行手順は実験設定を有効にして適用し、リモート接続はサーバーの設定画面で管理する。

1. 目標の遂行と予約タスクを同じ手順で処理

experimental.unifiedAgentLoopを有効にすると、目標処理、予約実行、バックグラウンド通知が、タスクを反復実行する共通のエージェントループを使用する。タスクの流入経路が違っても、実行の反復、ツールの一括処理、停止箇所を同じルールで扱う方式だ。

リリースノートは、エージェントとクライアント間の接続規格であるACPで、目標処理と予約・バックグラウンド通知にこの共通ルールを適用すると説明する。開発者は目標の遂行か予約・バックグラウンド実行かによって反復・ツール処理・停止ルールを個別に判断せず、共通ルールに基づいて実行動作を予測できる。夜間の統合テストも、統合ループを有効にして実行するよう変更された。

2. リモート接続はサーバーを再起動せずに調整

qwen serveの設定画面にリモート接続の許可項目が追加された。運用者はリモートアクセスとトークンの使用、クライアントの切断をサーバーの再起動なしで処理できる。接続ポリシーの変更時にサーバーを再起動する手間を減らす変更だ。

リモートアクセスのエラー処理も見直された。呼び出し元に内部エラーの詳細を隠すよう変更され、リリースノートはこの領域で検討された信頼性とセキュリティの不具合も修正したと説明する。

設定画面のパスと今回の変更で使う設定名は次のとおりだ。

experimental.unifiedAgentLoop
model.catalogRefresh
privacy.usageStatisticsEnabled
Settings → Connections → Allow remote connections

3. 使用統計を無効にするとカタログの自動更新も停止

運用者スコープのモデルカタログ更新設定が追加された。使用統計の設定であるprivacy.usageStatisticsEnabledをfalseにすると、バックグラウンドでのカタログ更新が停止し、モデルを説明する付加情報であるローカルメタデータは引き続き利用できる。

運用者は外部からの更新を停止しながら、ローカルにあるモデル情報を利用できる。ただし、バックグラウンドでカタログを更新する動作も停止するため、使用統計の設定を選ぶ際にはモデル情報の更新方法も考慮することになる。

4. プロジェクトが提供するコードは信頼の承認後に実行

リポジトリが提供するフック・権限付与・プロジェクト言語サーバーを実行するには、フォルダーへの信頼を明示的に承認する必要がある。フックは特定の時点で自動実行されるコードで、プロジェクト言語サーバーはコード編集を支援する別の実行プログラムだ。プロジェクト内の実行設定を信頼するかどうかを、ユーザーが先に決めるようにする変更だ。

対話型セッションでは、.qwen/settings.jsonに設定したプロジェクトフックにも、フォルダーやワークスペースへの明示的な信頼の承認が必要だ。承認を保留すると警告を表示する。プロジェクト設定の存在と、その設定に従うコード実行の許可を別の段階として扱う。

信頼できないPRのコードをレビューする際に使う、ローカルDockerの実行手順も追加された。コードはコンテナーで実行し、モデルの認証情報はホストに置いたまま、モデルへのリクエストを中継するプロキシ、つまりリクエストを代理転送するサーバーを使う。認証情報をコンテナーに直接入れない代わりに、コンテナーと中継経路を準備する手順が加わる。

5. 実行待ちを減らし、セッションの使いやすさも改善

性能改善は、複数のワークスペースが一緒に待機していた共通ロック、つまりタスク間の同時アクセスを調整する仕組みの使用範囲を縮小することに重点を置いた。ワークスペースの実行やファイルの巻き戻し、管理対象エージェントのセッション占有・解放とリクエスト受け付けなどでロック待ちを減らし、リリースノートは処理結果と判定を維持すると説明する。

セッションでモデルを変更したりタスクをキャンセルしたりする、日常的なコマンドのロックも減らした。

ローカルのコマンドラインツールが同じ状態なら、対応機能の確認結果を再利用し、ファイルの読み取り・アップロード・状態確認を高速化する。

セッション履歴を見返す際の表示も簡潔になった。大きなファイルの編集結果は、変更前後の全内容ではなく、保存済みセッションのプレビューで表示する。長いツール実行結果が履歴画面を占める負担を軽減する変更だ。

モデル識別の修正もある。リリースノートによると、OpenRouterのqwen/qwen3-coder:exactoは基本モデル名を維持するようになり、従来誤って適用されていた200Kではなく、このモデルの262,144トークンのウィンドウが適用される。開発者はこれをモデル自体の性能向上ではなく、同じモデル識別子に正しいウィンドウサイズを適用する修正と捉えるべきだ。

表:モデル識別の修正前後のコンテキストウィンドウ

条件:OpenRouterの同一モデル識別子に適用されるウィンドウサイズの比較

単位:トークン

実行待ちを減らし、セッションの使いやすさも改善
モデル識別子修正前修正後
qwen/qwen3-coder:exacto200K262,144

このトークン数はモデル設定の結果であり、速度の測定値ではない。ロック削減と応答性改善の定量的な性能測定値は、リリースノートには示されていない。

v0.26.7は、エージェントの実行を共通ルールで整理し、リモートアクセスとプロジェクトのコード実行に対する制御箇所を運用者に追加した。