OllamaがAppleシリコンでモデルの回答生成と長い入力の処理を高速化し、一部の小さな画像の細部をより多く保持するリリース候補版を公開した。モデルを自ら実行する開発者は、入力の読み込みと回答の生成のどちらに時間がかかるかに応じて改善効果を確認できる。
1. ドラフトを先に作り回答生成を高速化
10月27日に公開された0.40.12-rc0にはDFlash2対応が加わった。複数トークンのドラフトを先に作り、モデルが検証することで回答生成を高速化する方式だ。
今回の対応は、Appleシリコンのモデル演算基盤であるMLXの実行経路に追加された。各ラウンドで7トークンのドラフトを作り、既存の状態復元経路で検証する。
変更リクエストの作成者は、数値を4ビット浮動小数点で表すNVFP4形式のqwen3.8:27bモデルで性能を測定した。両方式は同じビルドとセッションで実行した。
比較対象のMTPはモデルに組み込まれた予測機能だ。以下はM5 Maxで2K入力のリクエスト16件を測定した中央値で、作成者が公開した入力処理量と生成処理量を別々の列に示した。
表:M5 Maxでのドラフト生成方式別の処理量
条件:M5 Max、qwen3.8:27b (NVFP4)、2K入力、リクエスト16件の中央値、temperature 1、top_p 0.95、top_k 20、thinking on、同一ビルド・セッション
単位:トークン/秒
| 方式 | 入力処理量 | 生成処理量 |
|---|---|---|
| 内蔵MTP | 767 | 57.0 |
| DFlash2 | 790 | 71.0 |
この条件では、入力処理量より生成処理量の変化が目立った。同じモデルと機器による32K入力の測定でも、生成処理量は54.0から63.2に増えた。この結果は、その他の設定が同じでリクエスト数が12件の測定の中央値だ。
2. 長い入力を読み込む段階も改善
MLXとその接続層を更新した変更は、モデルが最初に入力を読み込むプリフィル段階を対象とした。一度に参照する入力範囲を指定する演算機能を活用し、Gemma 4、Flint、Laguna系モデルの処理量を高めた。
変更リクエストの作成者が公開したApple M5 Maxでの測定では、Lagunaモデルの2048トークン入力の処理量は以下のように変化した。改善率も原文に示された値だ。
表:Lagunaモデルの2048トークン入力の処理量の変化
条件:Apple M5 Max、laguna-xs.2:nvfp4、2048トークン入力、MLX・MLX-C更新前後のプリフィル処理量
| 項目 | 更新前 | 更新後 | 改善率(%) |
|---|---|---|---|
| 処理量(トークン/秒) | 4668 | 5795 | 24.1 |
同じ機器とモデルの6144トークン入力では、処理量が毎秒4289トークンから5448トークンに増え、作成者が示した改善率は27.0%だ。入力の読み込み時間が長い作業で参考になる結果であり、この変更の測定では回答を生成するデコード速度は変わらなかった。
3. 小さな画像の細部を保持する代わりにトークン使用量が増加
Gemma 4で画像を処理する小型の構成要素であるコンパクトビジョンタワーも修正された。画像サイズを自動調整する際に最小のグリッドを切り捨てると、想定した70トークンの予算より割り当てが少なくなり、小さな画像の細部が失われる可能性があったためだ。
今回の変更では、そのグリッドを切り上げつつ、次の対応予算を超えないようにする。画像をモデルが読み取る小さな区画に分ける際、区画数を少し増やして細部が失われる問題を減らす方式だ。
細部を保持する利点には、画像入力に使うトークンが増える可能性というコストが伴う。予算を明示した入力と、より大きなビジョンタワーおよび統合タワーでは、従来のサイズ調整方式を維持する。
4. テストモデルで生成経路を確認
DFlash2の変更リクエストの作成者は、自身の名前でテスト用モデルを公開した。原文に示されたダウンロードコマンドは次のとおりだ。
ollama pull dhiltgen/qwen3.8:27b-dflash2-nvfp4今回のOllamaリリース候補版は、回答生成、長い入力の読み込み、小さな画像の細部保持をそれぞれ改善しており、作業のボトルネックに応じて評価する理由となる。
