ローカルモデル実行ツールのOllamaがRecursiveのコーディングモデルFlintに対応し、MacでリモートAPIを使わずにリポジトリ作業を任せる選択肢が増えた。ollama run flintの1行で自分のコンピューター上で対話型の実行を開始できる。10月21日公開のv0.40.8-rc0リリースは正式リリース前の試験版で、Flint対応はmacOS限定だ。ほかのGPUへの対応は後続のRCビルドで提供される。コンテキストは文書化された構成で262,144トークン、ライセンスはApache 2.0だ。

概要

表:Ollama Flintの主要仕様

条件:モデルカードとOllamaライブラリに基づく。

概要
項目値
モデル総パラメーター数39.8B、トークン当たり約2.5Bが活性化
コンテキスト262,144トークン、プロンプトと生成出力を含む
Ollama配布flint:latest・flint:40b、それぞれ23GB・256Kコンテキスト

Flintは、リポジトリを理解してバグを追跡し、機能とテストを実装するコーディングエージェント向けモデルだ。推論と複数回のツール使用に対応する。

MoEはトークンごとに一部のエキスパートだけを選んで計算する構造だ。Recursiveは、出力層まで4ビットに量子化してメモリ使用量とトークンごとに読み込む重みの量を減らし、16ビットモデルを教師とする蒸留学習で精度を回復したと説明する。また、M4・M5でデコード1ステップの演算全体を統合するカーネルにより高速化したとしている。

性能:4ビットに減らしてもスコアはおおむね維持

Terminal-Bench 2.1はターミナル作業を、SWE-benchはリポジトリの問題解決を評価する。

条件:Recursiveのベンチマーク図と評価の説明に基づく。temperature 1.0・top-p 0.95・top-k 20、エージェントの制限時間は最大5時間、最低5回の平均pass@1(1回の試行で正解したか)。Terminal-Bench 2.1はTerminus 2 XMLでインターネットを許可し、検索で得た解答は失敗扱いとした一方、SWE-benchはmini-swe-agentでインターネットなしで測定した。

表:BF16とNVFP4チェックポイントのベンチマークスコア

単位:%

性能:4ビットに減らしてもスコアはおおむね維持
ベンチマークFlint BF16Flint NVFP4
Terminal-Bench 2.154.953.7
SWE-bench Pro v289.788.5
SWE-bench Verified74.274.1
LiveCodeBench v680.380.8
IFBench89.288.1
IFEval95.194.6

4ビットNVFP4はBF16に比べ、Terminal-Benchで1.2%ポイント、SWE-bench Proで1.2%ポイント、Verifiedで0.1%ポイント低い。同じ評価内で見ると、精度を落としてもスコアはおおむね維持される。

速度:recエンジンのコンテキスト別の違い

ハードウェア要件:recにはM4 Pro・M5 Pro・M5 Max Mac、48GB以上のユニファイドメモリ、約30GBのディスク空き容量が必要だ。

条件:recリポジトリでのApple M4 Pro 48GBによる測定。4ビット重み、出力1,024トークン、各区間5回、プロンプトの前処理は除外。1K~252Kの代表的な区間。

表:M4 Pro 48GBでのrecエンジンとllama.cppのデコードスループット、トークンを生成する速度

単位:トークン/秒

M4 Pro 48GBでのコンテキスト別デコードスループット (トークン/秒)1K: rec 131.2, llama.cpp 88.0; 64K: rec 61.7, llama.cpp 42.9; 252K: rec 22.6, llama.cpp 8.6recllama.cpp1K131.288.064K61.742.9252K22.68.6
M4 Pro 48GBでのコンテキスト別デコードスループット (トークン/秒)
速度:recエンジンのコンテキスト別の違い
プロンプトコンテキストrecllama.cpp
1K131.288.0
64K61.742.9
252K22.68.6

コンテキストが長くなるほどスループットは低下するが、recは同じ区間でllama.cppを上回る。これはOllamaの速度測定ではない。

料金と実行

条件:Ollamaの料金プランページとRecursiveの文書に基づく(2026年10月21日確認)。

OllamaのFreeプランは$0で、ローカルモデルの実行を含む。自身のハードウェア上でのモデル実行はプランにかかわらず無制限で、確認した料金表にFlintはなく、公式リリースが案内する実行方法はローカル実行だ。Recursiveもブログで、データを自分のコンピューターに保管し、API費用を回避できるとアピールしている。Recursiveの直接のFlint APIは一部のパートナーに限って提供される。

Ollamaで始める方法は1行だ。

ollama run flint

コーディングツールとの接続にはollama launch claude --model flintを使う。

Recursiveはコンテキストサイズを容量の上限と位置づけ、シーケンス長によらず精度が均一になるとは保証していない。モデルカードにも、Flintが誤ったコードや有害なコード、不適切なツール呼び出しを生成する可能性が明記されている。

Macのローカルエージェントを試すには、ollama run flintで始め、慣れたリポジトリの問題を1つ任せ、デプロイ環境に合った重みと実行エンジンを選ぶ。