GitHubは、Copilotが過去の作業で学んだ個人の好みやリポジトリの慣例を次の作業でも活用するGitHub intelligenceを発表した。開発者は同じ説明を繰り返す手間を減らし、ローカルにクローンしていない関連リポジトリまで検索して、複数のプロジェクトに散在するコードの関係を把握できる。

1. チームの知識を次の作業へ引き継ぐ

GitHub intelligenceは、相互につながるデータの関係網であるGitHubデータグラフから得た文脈と学習内容を、エージェントが活用するための層だ。個人の好み、リポジトリの慣例、カスタム指示、関連リポジトリのコードを活用し、毎セッションで知識を集め直す手間を減らすことを目指す。チームの知識を次の作業へ引き継ぐ手帳に例えられる。

機能は、記憶を引き継ぐメモリ、過去の作業を振り返って記憶を更新するドリーミング、関連リポジトリを探索するコード検索に分かれる。リポジトリメモリには、特定の例外が重要な理由や、それを確認するテストも含められる。

2. メモリが繰り返しの指示を減らす

メモリは有料のCopilotプランで正式提供される。個人の好みやリポジトリの慣例をセッションやクライアント間で引き継ぐ。Copilotセッションは、やり取りに基づいてメモリを作成し、整理する。

例えば、コード変更のレビューを依頼するプルリクエストの説明を短い要約から始めるという好みや、チームが求めるテストコマンドを記憶し、その後の作業に活用する。ユーザーは個人設定で保存された好みを確認したり、削除したりできる。

メモリはCopilotアプリ、コマンドラインツール、エディター、クラウドエージェント、コードレビュー、モバイルアプリなど、さまざまな作業環境で作られる。対話形式でメモリを扱える環境にはCopilotアプリとCLIがあり、VS Codeも含まれる。

同社の発表によると、公開プレビュー期間中に評価されたCopilot CLIセッションのうち、エージェントがメモリを使用したセッションの93%で、開発者の好みによりよく従う様子が見られた。同じ評価対象の42%では、セッションの文脈に含まれたメモリによって作業の流れがより効率的になった。

3. ドリーミングが過去の作業から指示を磨く

ドリーミングは過去の作業を振り返り、次のエージェントセッションの文脈を改善する公開プレビュー機能だ。個人の会話に基づく記憶の整理、リポジトリメモリやスキル・指示の改善、繰り返し採用されたコードレビューの指摘のレビュー指示への変換という三つの方式がある。スキルはエージェントが活用する作業手順に当たる。

ドリーミングは個人メモリとリポジトリメモリを追加・修正・削除できる。リポジトリに保存されたスキルやカスタム指示ファイルの変更は、チームのレビューに向けたプルリクエストとして提案される。

4. クローンしていないリポジトリまで検索する

コード検索は、関連プロジェクトや依存関係のコード、設定、データ構造を定めるスキーマ、ドキュメントをローカルへのクローンなしで探せるようCopilotを支援する。完全一致のテキスト、コード内で識別される名前であるシンボル、文字列の形式をパターンで表す正規表現で検索し、リポジトリ・パス・言語で絞り込める。意味検索では、ファイル名や関数名が分からなくても、コードの動作を説明して探せる。

例えば、失敗した決済の再試行処理が決済サービス、共有ライブラリ、バックグラウンドジョブに分散しているとする。開発者は/researchで、各構成要素がどのように決済を再試行し、どこで再試行が重複し得るかを質問できる。

Copilotは該当リポジトリの実装と呼び出し箇所を調べ、システムの構成要素がどう連携するかの把握を支援する。複数リポジトリを横断し、新構造へ移すマイグレーションの対象や旧APIの使用箇所を探したり、バグに関連する実装を追跡したり、不慣れなリポジトリで組織の既存パターンを探したりできる。開発者自身がプロジェクトをクローンし、ファイルを探してコードを会話へ転記する手間を減らすことが、実用上の利点だ。

5. 記憶更新の利便性には費用とレビューが伴う

ドリーミングは任意で有効にする機能だ。個人契約者は個人設定で個人の記憶整理を、リポジトリ別の設定でリポジトリのドリーミングを有効にする。組織や企業では管理者がポリシーで有効にし、企業管理者は組織管理者に設定権限を委譲できる。

リポジトリのドリーミングは、メモリのリポジトリアクセス設定が許可する範囲で動作し、ユーザーも個人のドリーミングを有効にする必要がある。ドリーミングの実行ごとに、AI機能の使用量を表す単位であるAIクレジットを消費する。

繰り返しの指示や文脈収集を減らす利点の一方で、記憶を更新するクレジット費用と、リポジトリファイルの変更案を確認する作業が生じる。チームは自動で改善される指示を活用する分、提案をレビューする過程も作業の流れに組み込むことになる。

GitHub intelligenceがもたらす変化は、Copilotが毎回説明を待つツールから、チームが蓄積した知識で次の作業を始めるツールへと進む点にある。