ComfyUIが動画の保存方法と計算精度の選択肢を広げた新バージョンを公開した。動画制作用のワークフローを構築する開発者は、保存形式と演算設定を調整し、新たにサポートされたモデルや編集ノード、ワークフローに機能をつなぐ構成要素を活用できるようになった。
1. 動画の保存形式と色情報の処理方法を選ぶ
2026年11月4日に公開されたv0.44.0は、動画保存で動画編集用の高品質圧縮規格であるProResをサポートし、色情報をどの程度分けて格納するかを決める色サンプリング方式にも選択肢を追加した。動画出力の変更は、保存形式と色情報の処理という二つの部分に及ぶ。色サンプリングの入力値を検証する変更も含まれる。
動画のサイズを拡大するアップスケール処理でも選択肢が増えた。BFLのFlux Video Upscale V2ノードは、出力先の解像度に1080p、2K、4Kを追加した。動画の保存形式を選ぶ変更に加え、このノードを使う開発者は希望する出力サイズも選択できる。
PrunaのP-Video Upscaleノードも新たに追加された。
2. VAEの計算に使う数値の精度を指定する
計算面では、画像情報を圧縮・復元するモデル構造であるVAEの計算精度を設定するノードが追加された。精度設定は、計算に使う数値をどれほど細かく表現するかを選ぶものと理解できる。今回の変更は、これをワークフロー内で指定できるようにした点に意味がある。
新設定に関連するエラーも修正された。LTX 2.5の拡散VAEデコーダーでは、計算精度ノードによって発生していたクラッシュが解消された。
FP8とBF16は、計算に使う数値をそれぞれ異なる形で表現する方式だ。動的な動画メモリ管理環境で、fp8_e4m3fn_fastがbf16の計算に切り替わっていた問題も修正された。
3. MiniMax-H3モデルと編集ノードをともに拡張する
MiniMax-H3では潜在表現を拡大するアップスケーラーモデルのサポートが追加され、MiniMax Sol-H3-VAEもサポート対象に含まれた。MiniMax-H3のコンテキストウィンドウ(context windows)のサポートも追加された。
MiniMaxのパートナーノードには、再構成、延長、画面の再構成、挿入、リップシンク、カメラ制御を扱う機能が追加された。
4. 選択肢が広がった分、既存ノードも点検する
出力形式・計算精度・モデルサポートの追加は、新たに使える機能の範囲を広げる変更だ。一方、エラー修正は従来の実行動作を正すものであり、非推奨化と移動は既存ノードの状態と場所を変えるものだ。
既存のパートナーノードには状態の変更もある。Seedance 1.xの動画ノードは非推奨となった。
WaveSpeedのFlashVSRおよび画像アップスケールノードはComfy Routerに移動した。これらのノードを使う作業では、新機能の追加とは別にノードの場所の変更も確認する必要がある。
バージョンの変更点をまとめたリリースノートには、新設定で選べる値とデフォルト値、性能・メモリ使用量の比較は示されていない。したがって今回の更新は、速度向上の数値よりも、必要な出力方法とモデルをワークフローに組み込めるかを中心に判断するのが適切だ。
ComfyUI v0.44.0は動画出力・VAE精度の設定とMiniMax-H3のサポートを追加するとともに、実行エラーの修正と既存パートナーノードの非推奨化・移動を反映した。
