MiniMaxは2026年10月19日にM3.1 Flashを公開した。同社は、ツールを使って複数段階の作業を行うエージェントタスクと、コーディング、コンピューター操作の能力を強調した。発表の中心は各分野の評価成績と前モデル比でのタスクコスト削減であり、スコアごとに測定条件は異なる。

1. 業務自動化とコーディングの成績

M3.1 FlashはBankerToolBenchで76.2点を記録した。同社は、複数段階の計画、文書・ファイル間の整合性維持、金融規制への準拠、連続したツール呼び出しに強みを示したと説明した。同社の比較表ではOpus 5も76.2点だ。

DeepSWE v1.1では73.7%を記録した。この評価は、モデルがコードを理解し、機能を開発し、バグを修正した後、テストで作業を検証する複雑なソフトウェア課題を扱う。同社の表ではOpus 5が74.0%、GPT-5.6 Solが73.0%だ。

これらの数値はMiniMaxが提供した比較表の結果だ。表に評価ツールや条件が記載されていることは、比較対象すべてを同一条件で独立に再現したことを意味しない。

2. 実行ツールとコンテキスト条件

BankerToolBenchにはOpenCode 1.17.18と審査モデルMiniMax-M2.7が使われた。OpenCodeは評価を実行するツールであり、MiniMax-M2.7は結果を採点する審査モデルだ。この役割の違いも、同スコアの測定条件に含まれる。

DeepSWE v1.1はmini-SWE-agent 2.4.5で評価され、最大コンテキストは512Kトークンだった。コンテキストは、モデルが処理時に参照できる入力や作業履歴などの範囲を指す。トークンはテキストなどを分割して処理する単位であり、コンテキストの大きさは処理速度を意味しない。

APIドキュメントはM3.1 Flashのコンテキストウィンドウを1Mトークンとしている。製品が対応する最大範囲と、DeepSWE評価に適用された512Kの上限は別だ。ドキュメントには、推論の深さを調整できるマルチモーダルなコーディングモデルという説明もある。

3. コンピューター操作評価で異なる基準

コンピューター操作や複数のアプリにまたがる作業を評価するOSWorld 2.0では、61.7点を報告した。表の注記によると、公式推奨の0808 Full版を使用した。各モデルのスコアはリリース時点の報告値の最高値だが、DS-V4.1のみ同社内部での再現値という例外がある。

実際の専門業務や複雑な課題を評価するAgents’ Last Exam(ALE)では、29.6点を記録した。ALEの表には、公式Overall設定に基づく公式ランキングの全評価セットの結果だけを含めた。一部の課題や別の評価方式によるスコアを直接比較しないための条件だ。

ALEの空欄には、公式評価を受けていない場合やCLI評価の結果だけを報告した場合が含まれ、0点を意味しない。OSWorldの報告値の最高値を選ぶ基準は、ALEには適用されない。同社は両評価で中国モデルの中で1位だと発表した。

4. トークン料金とタスク全体のコストの違い

同社が示した料金は、100万トークン当たり入力0.15米ドル、出力0.60米ドル、キャッシュ済み入力0.015米ドルだ。キャッシュ入力は、保存済みの入力を再利用する場合の料金項目である。これはトークン使用量に適用する単価であり、タスク1件の固定価格ではない。

70%削減は、同社が発表した前モデル比でのエージェントタスク全体の利用コストの差だ。独立に検証された削減率でも、すべてのトークン単価の一律の値下げ率でもない。そのため、実際のコストを見積もるには、単価に加えて1件のタスクで発生する入力・出力・キャッシュの使用量も確認する必要がある。

リリース発表によると、M3.1 FlashはMiniMax API、M Plan、MiniMax Codeで利用でき、モデルの重みは後日公開される予定だ。現時点の評価成績と料金は導入を検討する材料になるが、特定の業務で同じコスト削減を再現できる保証ではない。

M3.1 Flashの導入価値は、公開された評価条件に基づいて性能を解釈し、実際の業務の仕上がりの質と総コストを併せて比較することで判断できる。