Claude Codeが入力欄だけに表示される案内文と、生成AIの作業記録用の標準属性を追加した。画面拡張を作る開発者は実際に送信される文章と装飾を区別でき、運用担当者はより細分化された記録を確認できる。

1. 画面装飾と実際の入力の分離

2026年10月14日に公開された今回のバージョンは、画面や動作を拡張するmodに入力欄装飾用のvirtualTextを追加した。この文字は入力欄に描画されるが、作成中の下書きや送信するプロンプトには含まれない。紙に書いた本文ではなく、紙の上に重ねた案内板に近い。

prompt.changeは、直接入力していないのに入力欄の内容が変わると実行されるmodフックだ。フックとは、特定の出来事が起きた際に拡張機能を呼び出す接続点を指す。履歴の読み込み、消去、元に戻す操作、プラグインによる内容の挿入がこれに当たる。

2つの機能の区別が重要だ。画面だけに必要な案内は装飾として表示し、実際の下書きが直接入力以外の経路で変わる状況は変更フックで扱える。画面に見える文字と編集対象の文字を同じものとして扱わないよう、機能の役割が分かれた形だ。

2. 作業記録に共通のラベルを追加

OpenTelemetryは作業過程や使用量などを観測するための仕組みだ。今回は個々の作業を追跡する区間に、生成AI向けのGenAIセマンティック規約の属性が追加された。プロバイダー、会話、ツール、エラーに共通のラベルを付ける変更だ。

例えばgen_ai.provider.nameはプロバイダー名、gen_ai.conversation.idは会話識別子を格納する属性だ。標準属性の追加が既存の収集ツールの設定まで自動的に変えるわけではない。コレクターの設定やダッシュボードの移行方法はリリースノートに示されていない。

リクエストイベントのapi_requestには、キャッシュ書き込みを保持期間別に分ける集計項目も追加された。キャッシュ書き込みを5分と1時間という2つの保持期間に分けて確認できるという意味だ。

2つの項目名はcache_creation_5m_tokensとcache_creation_1h_tokensだ。これはキャッシュ書き込み集計の区分であり、応答速度の改善値や料金の変化と解釈してはならない。原文にはそうした効果を裏付ける測定値は示されていない。

3. 助言機能は選択して初めて開始

AWSで提供されるClaude Platformに/advisorコマンドが追加された。助言役を担うモデルを、このコマンドやモデル設定、実行オプションで選択するまでは助言機能は実行されない。更新だけで自動的に有効になる機能ではないという意味だ。

助言ツールを無効にする環境変数の指定値は次のとおりだ。リリースノートの表記をそのまま転載した。

CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1

助言ツールの具体的な業務、選択できるモデルの一覧、利用料金は示されていない。したがって、特定分野の専門的な助言ツールとして紹介したり、他の提供環境でも同じコマンドを使えると拡大解釈したりする根拠はない。

4. 記録の正確性と共有範囲の点検

modのprompt.submitフックが変更または破棄したプロンプトが、ユーザーの入力そのままであるかのように記録される問題が修正された。修正対象は観測イベント、インタラクションの追跡区間、セッションタイトルのリクエストだ。画面装飾の分離と併せて見ると、実際の入力処理結果を記録に反映する変更と読める。

ローカルのセッション記録には、各APIリクエストのシステムプロンプト、ツール、パラメーターも残るようになった。原文は、ユーザーが共有すると決めた記録からリクエストを正確に再現できるようにした変更だと説明する。再現性が高まる一方、共有記録に含まれる情報の範囲も広がるため、渡す前に内容を確認するのが妥当だ。

今回のバージョンは画面拡張と作業記録の境界をより明確にするが、助言機能の選択と共有記録の確認は別途判断すべき更新だ。